「Web系」と言えば、エンジニア以外の人でもどんな仕事をしているのがすぐに思いつくことができるでしょう。
Web制作から保守・運用、さらにシステム開発やソフトウェア開発、アプリケーションの制作などがおもな仕事です。
広い意味ではWebサイトなどで使用されるグラフィックのデザインの仕事なども含まれます。
それに対してSlerはIT関係の人以外にはあまり名前が知られておらず、どんな仕事なのかすぐに思い浮かべるのは難しいかもしれません。
これは「エスアイアー」と読むもので「Systems Integrator」の略称です。
このSlerはIT業界においてシステム全般の開発や保守などを行うのがおもに仕事となっています。
両者の違いとしてはまず、Web系の方が幅広い範囲をカバーしている点が挙げられます。
また、Slerの場合は原則として他社から依頼を受ける形でシステム開発・構築を行っているのに対して、Web系の場合は自社でWebサイトの制作やシステム開発を行うこともある点が挙げられます。
つまりSlerは「下請け」とも言えるわけです。
ただし、Slerは官公庁から依頼を受けてシステム開発を行うことも多く、一般的な意味での「下請け企業」とは少々異なる部分もあります。
IT業界ではどちらもメジャーなものであるため、エンジニアを目指すならこうしたWeb系とSIerの仕事の違いをしっかりと把握しておきましょう。
そうなると求められるスキルや資質にも違いが出てきます。
Web系ではクリエイティブな能力や次代のニーズを読み取る情報収集力・分析・解析能力などが問われるのに対して、Slerは外部からの依頼に応えられる形でクオリティの高いものを作り出すディレクション能力、マネジメント能力、あるいは納期をしっかり守る能力が求められます。
このように、Web系とSIerは多々違いがあります。
エンジニアとしてWeb業界で働く場所を探したいと思ったら、どちらが自分に向いているのかも踏まえた上で職探しをしていく必要もあるのでしょう。